医のこころ
一般社団法人 日本医療学会
  • TOP
  • ニュース
  • 「国は専門医育成を各学会に任せるべきである」

「国は専門医育成を各学会に任せるべきである」

日本国民に良質の医療を提供できる医師を育てることは、種々領域の学会の使命でもある。そこで多学会が話し合いを行い、全体的に調整の取れた専門医制度を構築してきた。この調整を行うのが日本専門医機構の役割であるべきなのです。しかるに現在はこの日本専門医機構は厚労省の意向に添い専門医制度を管理する方向に動いている。専門医の育成、認定評価などは専門学会でなければ出来ないことは明白であり、その学会に任せるべきなのである。また任された学会は単に専門医を育てるだけではなく、全ての国民が平等に最良の医療を享受できるよう社会的な責任も果たさなければならないことは言うまでもない。

今回外科系の基本学会である日本外科学会が関連する外科専門医直結の6領域のサブスペシャルティ学会(消化器外科,心臓血管外科,呼吸器外科,小児外科,乳腺,内分泌外科)と進めて来た制度について、厚生労働省の「医道審議会医師分科会医師専門研修部会」は認められないとう判断を示したようである。これに対し日本外科学会は予定通りこれまでの方針を推し進めるとし、認められない時には専門医機構を脱退するとの見解をホームページ上に明らかにしている。(2019年3月)

私はこの日本外科学会の決断に大賛成である。日本外科学会がProfessional autonomyを発揮し日本の外科系医療に関して社会的責任を果たし存在感を示してほしいと願うものである。

日本医療学会理事長 高崎 健

本記事に関するコメントをお寄せください

PICK UP