救急医療
救急医療問題
一口に救急医療と言っても受け入れ態勢からは三段階に分けられています。
【1次救急(初期救急)】(開業医、休日夜間急患センターなど):
日常的な発熱、腹痛や軽い外傷など外来診療を基本とする患者さんが対象。
【2次救急】(救急病院 輪番制が多い):
緊急手術の適応、あるいは入院が必要となるような患者さんが対象。
【3次救急】(救命救急センター):
生命に危険があり救急処置、救急蘇生が必要となるような重症患者さんが対象。
これらのいずれの段階の救急医療についても健全な運営を維持して行くために多くの問題点が挙げられています。 救急隊自体の運営に関すること、受け入れ施設並びに担当医師の問題、患者さん側の問題、そして近年はメディアの報道の仕方も大きな問題がある。
医師不足
医師不足は以前から言われ続けている問題である。日常勤務に引き続けての夜間救急勤務などが通常のこととなっているようです。
さらに救急診療医が該当疾患の専門医でなかったという理由で後に訴訟で不利になったと言った事例も報道されているため、医師が診療を拒否するようになってしまっているということも医師不足に拍車をかけています。
非協力的な患者さん
ごく軽症の一次救急にも関わらずタクシー代わりに救急車を頼んだり、すぐ診てもらえると言った理由で救急外来を訪れる方が少なくないため、本来の重症三次救急患者さんの搬送が遅れたり、救急センターが混雑といった事態も起こっています。
また夜間の救急外来であっても専門医の診察を要求するなど、無理なことを要求する患者さんも未だに居られるそうです。
救急車の有料化
救急車運行を管理している地方自治体は、救急搬送の問題、救急救命士の確保、救急救命士の活動範囲、などと同様に財政的な問題があり救急車の有料化を検討すべきと言った意見も聞かれます。
世界的には約半数の国が有料となっているそうである。 わが国でも有料化を導入した地域があると聞いている。
皆で救急医療を守る
このような状況下でも関係者の努力で救急医療がかろうじて支えられてきたのですが、述べて来たような理由で救急診療からの撤退する医療機関が増え、救急医療の崩壊は差し迫ってきているといえます。
軽症患者が二次、三次救急医療機関に増加し、軽症患者の対応に医療スタッフは疲弊し重症患者への対応レベルの低下、救急医療の機能低下とつながっています。
単に医療側の努力ではなく患者およびメディアも協力し、皆で救急医療を守ってゆくという風潮を醸成して行かなければなりません。